効率のいい筋トレ部位の順番と筋肉の相関関係を徹底解説
筋トレで結果を出すためには、ただがむしゃらに鍛えるだけでは不十分です。どの部位をどの順番で鍛えるか、そして筋肉同士がどのように関係しているかを理解することで、トレーニング効率は劇的に向上します。
この記事では、科学的な根拠に基づいた効率的なトレーニング順序と、知っておくべき筋肉の相関関係について詳しく解説します。
目次
- 筋トレの基本原則:大筋群から小筋群へ
- 筋肉の相関関係を理解する
- 1回のトレーニングでの効果的な順番
- 週単位での分割法とプログラム例
- 同じ日に鍛えてはいけない部位の組み合わせ
1. 筋トレの基本原則:大筋群から小筋群へ
筋トレの最も基本的な原則は、「大きい筋肉から小さい筋肉へ」という順番を守ることです。これには明確な理由があります。
なぜ大筋群を先に鍛えるのか?
理由①:体力とエネルギーの効率的な配分
大きな筋肉を動かすには、多くのエネルギーと高い集中力が必要です。トレーニングの最初は体力が充実しているため、最も負荷の高い大筋群のトレーニングに取り組むべきです。
小さい筋肉を先に鍛えてしまうと、大きい筋肉を鍛える際には既に小さい筋肉が疲弊しており、本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。
理由②:協働筋の同時トレーニング効果
大筋群を鍛えるトレーニングは、多関節種目(コンパウンド種目)が多く、周辺の小さい筋肉も補助的に使われます。つまり、大筋群を鍛えることで、小筋群も同時に刺激されるのです。
例えば:
- ベンチプレス(胸の大胸筋)→ 三角筋(肩)と上腕三頭筋(二の腕)も働く
- デッドリフト(背中の広背筋)→ 僧帽筋、大腿四頭筋、ハムストリングスも刺激される
理由③:代謝向上効果
大筋群は筋肉量が多いため、トレーニングによる代謝向上効果が高くなります。トレーニングの早い段階で代謝を上げることで、その後の有酸素運動での脂肪燃焼効率も高まります。
大筋群と小筋群の分類
大筋群:
- 大胸筋(胸)
- 広背筋・僧帽筋(背中)
- 大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋(下半身)
小筋群:
- 三角筋(肩)
- 上腕二頭筋・上腕三頭筋(腕)
- 腹直筋(腹部)
- ふくらはぎ
2. 筋肉の相関関係を理解する
効率的なトレーニングには、筋肉同士の関係性を理解することが不可欠です。筋肉は単独で働くのではなく、相互に関係しながら動作を生み出しています。
主働筋・協働筋・拮抗筋とは?
主働筋(しゅどうきん)
ある動作において、中心的に働く筋肉のことです。例えば、ベンチプレスでは大胸筋が主働筋となります。
協働筋(きょうどうきん)
主働筋の動きを補助・安定させる筋肉です。主働筋とともに働き、動作をスムーズかつ効率的にします。
協働筋の役割:
- 主働筋の動作を補助する
- 動作を安定させる
- 効率的な力の発揮をサポートする
例:ベンチプレスにおける協働筋
- 主働筋:大胸筋
- 協働筋:三角筋(肩)、上腕三頭筋(二の腕)
拮抗筋(きっこうきん)
主働筋とは逆の作用を持つ筋肉です。主働筋が収縮するとき、拮抗筋は伸張されます。この関係を理解することで、バランスの良いトレーニングが可能になります。
拮抗筋の例:
- 上腕二頭筋(力こぶ)⇔ 上腕三頭筋(二の腕)
- 大胸筋(胸)⇔ 広背筋(背中)
- 大腿四頭筋(太もも前)⇔ ハムストリングス(太もも後ろ)
- 腹直筋(腹筋)⇔ 脊柱起立筋(背筋)
筋肉の相関関係を活かしたトレーニング戦略
①バランストレーニングの重要性
主働筋ばかりを鍛えて拮抗筋を疎かにすると、筋力のアンバランスが生じ、怪我のリスクが高まります。また、姿勢の歪みや関節への負担も増加します。
例えば、ベンチプレスばかり行って背中のトレーニングを怠ると、胸の筋肉が過度に発達し、肩が前に引っ張られる「巻き肩」になる可能性があります。
②相反抑制(そうはんよくせい)を活用
主働筋が収縮するとき、拮抗筋は反射的に弛緩する神経メカニズムがあります。これを利用して、拮抗筋を交互にトレーニングする「スーパーセット」という方法が効果的です。
スーパーセットの例:
- 上腕二頭筋のトレーニング → すぐに上腕三頭筋のトレーニング
- ベンチプレス → すぐにローイング(背中)
この方法により、時間効率が上がり、筋肉のポンプアップ効果も高まります。
3. 1回のトレーニングでの効果的な順番
トレーニングセッションにおける理想的な流れは以下の通りです。
基本的なトレーニングフロー
ウォーミングアップ
↓
大筋群のトレーニング(多関節種目)
↓
小筋群のトレーニング(単関節種目)
↓
有酸素運動
↓
クールダウン・ストレッチ
具体的な部位の順番
全身トレーニングの場合
- 脚(下半身) – 大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋
- お尻 – 大臀筋
- 背中 – 広背筋、僧帽筋
- 胸 – 大胸筋
- 肩 – 三角筋
- 腕 – 上腕二頭筋、上腕三頭筋
- 腹筋・体幹
この順番の理由は、下半身の筋肉が全身の約70%を占めており、最も大きな筋肉群だからです。また、脚のトレーニングは全身の疲労度が高いため、体力があるうちに行うべきです。
種目の選び方:多関節種目から単関節種目へ
筋トレの種目は大きく2種類に分けられます。
多関節種目(コンパウンド種目)
複数の関節と筋肉を同時に使う種目。高重量を扱え、効率的に筋肉を刺激できます。
主な多関節種目:
- スクワット(脚)
- デッドリフト(背中・脚)
- ベンチプレス(胸)
- ショルダープレス(肩)
- チンニング・懸垂(背中)
単関節種目(アイソレーション種目)
特定の筋肉を集中的に鍛える種目。仕上げや形作りに有効です。
主な単関節種目:
- レッグエクステンション(大腿四頭筋)
- ダンベルフライ(大胸筋)
- サイドレイズ(三角筋)
- アームカール(上腕二頭筋)
- トライセップスエクステンション(上腕三頭筋)
トレーニング順序の原則:多関節種目 → 単関節種目
多関節種目は高重量を扱うため、集中力と体力が必要です。疲れていない状態で行うことで、安全性と効果が高まります。
4. 週単位での分割法とプログラム例
週に複数回トレーニングできる場合、**分割法(スプリットルーティン)**を採用することで、各部位をより集中的に鍛えることができます。
2分割法(週4回)
パターン①:上半身と下半身で分ける
月曜・木曜:上半身
- 胸
- 背中
- 肩
- 腕
火曜・金曜:下半身
- 脚(大腿四頭筋、ハムストリングス)
- お尻
- ふくらはぎ
パターン②:プッシュとプルで分ける
月曜・木曜:プッシュ(押す動作)
- 胸
- 肩
- 上腕三頭筋
火曜・金曜:プル(引く動作)+ 脚
- 背中
- 上腕二頭筋
- 脚
3分割法(週6回)
パターン①:大筋群・小筋群・脚
月曜・木曜:上半身の大筋群
- 胸
- 背中
火曜・金曜:上半身の小筋群
- 肩
- 腕(上腕二頭筋、上腕三頭筋)
水曜・土曜:脚
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 大臀筋
- ふくらはぎ
パターン②:プッシュ・プル・レッグ(PPL法)
月曜・木曜:プッシュ
- 胸
- 肩
- 上腕三頭筋
火曜・金曜:プル
- 背中
- 上腕二頭筋
水曜・土曜:レッグ
- 脚全体
分割法を選ぶ際のポイント
- 週2-3回の場合:全身トレーニングまたは2分割法
- 週4-5回の場合:2分割法または3分割法
- 週6回以上の場合:3分割法以上
重要: 各筋肉群には48〜72時間の回復期間が必要です。分割法により、ある部位を鍛えている間に他の部位を回復させることができ、頻繁にトレーニングできます。
5. 同じ日に鍛えてはいけない部位の組み合わせ
効率的なトレーニングのためには、相性の悪い部位の組み合わせを避けることも重要です。
避けるべき組み合わせ
①胸と肩
胸のトレーニング(特にベンチプレス)では、肩の三角筋前部が協働筋として大きく関与します。同じ日に肩のトレーニングを行うと、肩が既に疲労しているため十分な刺激を与えられません。
②下半身(太もも)と背中
スクワットやデッドリフトなど、下半身のトレーニングでは脊柱起立筋など背中の筋肉も大きく関与します。同日に背中の本格的なトレーニングを行うと、腰への負担が過大になりリスクが高まります。
③上腕三頭筋と肩
肩のプレス系種目では上腕三頭筋が協働筋として働きます。三頭筋を先に疲労させると、肩のトレーニングで本来の力を発揮できません。
相性の良い組み合わせ
逆に、以下の組み合わせは効率的です:
- 胸 + 上腕三頭筋(両方ともプッシュ動作)
- 背中 + 上腕二頭筋(両方ともプル動作)
- 脚 + 肩(関与する筋肉が異なる)
- 胸 + 背中(拮抗筋の関係でスーパーセットが可能)
まとめ:効率的な筋トレのための5つのポイント
- 大筋群から小筋群へ – 体力があるうちに大きな筋肉を鍛える
- 多関節種目から単関節種目へ – 高重量を扱う種目を優先
- 筋肉の相関関係を理解する – 主働筋、協働筋、拮抗筋のバランスを意識
- 分割法を活用する – 週の回数に応じて適切に部位を分ける
- 相性の悪い組み合わせを避ける – 協働筋の関係を考慮したプログラミング
これらの原則を理解し実践することで、トレーニング効率は格段に向上します。自分のライフスタイルや目標に合わせて、最適なトレーニングプログラムを組み立てましょう。
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